昔から二月と八月は景気が悪い月と言われている。
確かにわたくしが経営してきた会社でも、二月と八月は赤字月で、すべての月を通して黒字を達成したのは、たったの一度しかない。
そして冷夏や暖冬も景気を悪くする。暑いときは暑く、寒い時は寒い方が、どうも物は売れるようだ。
当然のこととして資金繰り予測表にはこのことを織り込んでおくわけだけれど、予想した以上に売り上げが落ちて収益を悪くするときは、その分だけ、資金需要を早めることになるから注意が必要である。
かってわたくし太郎がまだ計数をよく理解していなかった頃のことである。
何か月にもわたって営業赤字を出し続けたまま暢気に構えたままでいる管理責任者に、事業部の改善を求めたときのことだ。
「粗利はきちんと出ているじゃないですか」と反論されたことがある。
その顔は、収益を悪くしているのは、一般管理費のせいだ、と語っていた。
売上高-売上原価=売上総利益
売上総利益-一般管理費=営業利益
確かに売上総利益が出ていても、一般管理費があるために、営業利益はマイナスになる月もある。
しかし黒字業界平均で売上総利益は20%と言われている。それがわずか4%しか出ていなかければ問題は別だ。
それに当社の一般管理費15%は、軒並み25%を超える同業他社に比べれば決して高い方だとは言えない。
売上の大きな部署を預かっていながら、売上総利益を4%しか出せず、赤字になっているのは一般管理費のせいだと言う管理責任者の頭のなかには、自分が預かっている事業部を改善しようという意識さえ存在していない。
だいたいただ働いているだけでは、誰が日々の売掛金債権の帳票類を整理し、請求書を発行し入金のあったことを確認するのか。買掛金の処理も同様だ。従業員に支払う給料だって誰が計算していると思っているのだ。労働基準局、職業安定所、税務署、市役所などなどへの手続きだって同様だ。
現場も大切な仕事だけれど、総務・経理・営業などの部署がなければ、会社は動かない。一般管理費は欠かすことのできない費用なのである。
売上高が一億円、二億円の会社なら、社長一人ですべてを処理をできるかもしれないが、五億を超えたら組織の存在は不可欠になる。
一般管理費が収益を圧迫させている原因だと?!
冗談もほどほどにして欲しい。
さて今日も、㈱ T-logistics の資料をかりて、6月度の資金繰り予測表(ここでは資金収支表)の作成に取り組むことにしましょう。
毎回毎回同じような資料ばかりがでてきて、ウンザリしているかもしれませんね。
でもこの表をまねて、自分の手で資料をまとめてください。12か月分の作成を終える頃には、資金収支表(資金繰り表)が自分でできるようになっているはず。
貸借対照表予算作成シート
貸借対照表予算の作成
貸借対照表予算の完成度を実績で確認する
参考 経理提出の実績資金繰り表
まとめ
予算と実績の現金預金の増減額の違いは、長期借入金返済額前月分が末日が休日にあたったため当月1日落ちになったことと、当月返済額が末日に当座落ちしたことによるものです。