財務指標のひとつに「銀行からの借入金を何年で返せるか」という「債務償還年数」があり、銀行それぞれで、さまざまな算出方法を使っているので厄介です。

債務償還年数は「10年以内」に収まっているか否かが問題であり、「経営改善計画」の目標は、当然10年以内ということになります。

わたしがかって学んだ債務償還年数の算出式は、長短借入金/(経常利益/2+減価償却費)でしたしかし現在は各銀行ともこの式は使わず、別の算出式で計算をしているようです

算出式の一番厳しいものから順番にあげていきます。

◎(短期借入金+長期借入金+リース等設備債務)/(税引後利益+減価償却費)

 同じ式でも、臨時発生の特別損益を除外し、毎期経常発生する経常利益を基準とする算出式を採用する銀行もあります。
〇(短期借入金+長期借入金+リース等設備債務)/(経常利益+減価償却費-法人税等)

◎(短期借入金+長期借入金+リース等設備債務-運転資金)/(税引後利益+減価償却費)

 経常利益を基準とする算出式
〇(短期借入金+長期借入金+リース等設備債務-運転資金)/(経常利益+減価償却費-法人税等)

◎(短期借入金+長期借入金+リース等設備債務-運転資金-現金預金/(税引後利益+減価償却費)

 経常利益を基準とする算出式
〇(短期借入金+長期借入金+リース等設備債務-運転資金-現金預金/(経常利益+減価償却費-法人税等)

当社のメインバンクでは一番厳しい算出式を用い、政府系の金融機関が一番優しい算出式を選択してくれています。

償還年数のこの二つの算出式から、以下の資料をつかって、それぞれ償還年数が何年になるか、計算をしてみましょう。

一番厳しい銀行と、一番優しい金融機関との差は、10年ものひらきがあることになります。

一番厳しい計算式を採用する銀行の「償還年数」を、経営改善計画の最終目標におくことがベストなのですが、わたしは勉強のこともふくめて、政府系の金融機関が採用する、(短期借入金+長期借入金+リース等設備債務-運転資金-現金預金/(経常利益+減価償却費-法人税等)の算定式を採用して計算をしていることを、ご理解ください。

さて本来のテーマである、「経営改善計画二期目」の「計画」と「実績」の数字をみてみることにしましょう。



忘備録
資金収支表作成のための計算式

経常収入(A)= 売上高+営業外収益
―(期末売上債権―期首売上債権)
経常支出(B)=((売上原価+販売費)―減価償却費)
+(期末棚卸資産―期首棚卸資産))
―(期末仕入債務―期首仕入債務)
+(支払利息・割引料+その他の営業外費用)
経常収支(C)=(A)―(B)
固定資産関係収支(D)=△((期末固定資産―期首固定資産)
+減価償却費))
特別損益・その他の収支(E)=特別損益―法人税等引当額
―(期末その他流動資産―期首その他流動資産)
+(期末その他流動負債―期首その他流動負債)
+(期末その他固定負債―期首その他固定負債)
―(期末繰延資産―期首繰延資産)
財務収支(F)=(期末短期借入金―期首短期借入金)
+(期末割手・譲手―期首割手・譲手)
+(期末長期借入金―期首長期借入金)
総合収支(G)=(C)+(D)+(E)+(F)
経常収入(A)= 売上高+営業外収益
―(期末売上債権―期首売上債権)
経常支出(B)=((売上原価+販売費)―減価償却費)
+(期末棚卸資産―期首棚卸資産))
―(期末仕入債務―期首仕入債務)
+(支払利息・割引料+その他の営業外費用)
経常収支(C)=(A)―(B)
固定資産関係収支(D)=△((期末固定資産―期首固定資産)
+減価償却費))
特別損益・その他の収支(E)=特別損益―法人税等引当額
―(期末その他流動資産―期首その他流動資産)
+(期末その他流動負債―期首その他流動負債)
+(期末その他固定負債―期首その他固定負債)
―(期末繰延資産―期首繰延資産)
財務収支(F)=(期末短期借入金―期首短期借入金)
+(期末割手・譲手―期首割手・譲手)
+(期末長期借入金―期首長期借入金)
総合収支(G)=(C)+(D)+(E)+(F)