「行動するために学べ!!」という言葉をご存知でしょうか。
「知識を学ぶために学ぶ」のではなく、常に自社の財務諸表を手元に置いて、繰り返し繰り返し財務分析を行うことで、管理会計をぜひわがものとして下さい。
「 経営者は、経営数字が読めなければ正しい経営判断ができませんね」。政府関係の金融機関に長らく身を置かれていた加藤知紀氏も、このようなコメントをお寄せ下さっています。
㈱ T-logistics 経営改善計画四年目の計画と実績の数値を下記に掲載しておきます。
経営改善計画書作成(19)でお話ししましたように、銀行の「格付スコアリング・シート」では、五点満点の売上高経常利益率は4%以上、同じく五点満点の収益フローが三期連続黒字となっています。
㈱ T-logistics は経営改善計画一年目に売上高経常利益率3%、二年目4%、三年目4.3%そして四年目のこの期に、売上高経常利益率9.3%を達成するとともに、収益フロ―も四年連続黒字となっています。
売上高経常利益率9.3%を達成できたのは運賃を値上げによるものです。
売上高のほぼ100%を請け負っていた量販店が巨大スーパーDに吸収合併(平成19年1月16日)されたときに、「他の量販店の荷物を出しますから、頑張って会社を継続してくださいください」、といって助けてくれたのは、問屋さんのつくる協会でした。
㈱ T-logistics は協会メンバーの支援を恩義に感じて、以来ずっと運賃を据え置いてきたのでした。
運送業界では、運賃算出の基礎として、小さなミカン箱(縦30㎝+横30㎝+高さ30㎝)ぐらいの荷物を「一才」と呼びならわしています。
この一才の荷物一個を、関東から関東の各地に届けるものとすると、運賃は、ゆうパックでも1310円(佐川急便でもほぼ同じ1361円)、二才の大きさなら、2370円(佐川急便なら2376円)ということになります。
㈱ T-logistics が問屋さんから預かる貨物の大きさは最低でも2才で、その平均運賃が224円なのです。
ゆうパックの運賃の9.5%。
センターには毎日山ほどの荷物が集まっているというのに、平成24年決算での運送部門の営業利益はマイナス200万円、経常利益ではマイナス1200万円!!。
売上高の公式は、「単価×客数」ですので、このまま運送会社に当てはめるなら、「運賃×貨物量」ということになります。
問屋さんにお願いして42円の値上げ(それでも他社に較べたら11.2%の運賃)を受け入れていただき、経営改善計画の四年目には、改善計画の目標値をはるかに上回る、売上高経常利益率9.3%を達成いたしました。
もちろんその前段階として、不採算路線を廃止してきたことが相乗効果となり、この値上げをさらに効果あるものにいたしました。
ではこの成果のほどを数字で見てみることにしましょう。
忘備録
資金収支表作成のための計算式
経常収入(A)= 売上高+営業外収益
―(期末売上債権―期首売上債権)
経常支出(B)=((売上原価+販売費)―減価償却費)
+(期末棚卸資産―期首棚卸資産))
―(期末仕入債務―期首仕入債務)
+(支払利息・割引料+その他の営業外費用)
経常収支(C)=(A)―(B)
固定資産関係収支(D)=△((期末固定資産―期首固定資産)
+減価償却費))
特別損益・その他の収支(E)=特別損益―法人税等引当額
―(期末その他流動資産―期首その他流動資産)
+(期末その他流動負債―期首その他流動負債)
+(期末その他固定負債―期首その他固定負債)
―(期末繰延資産―期首繰延資産)
財務収支(F)=(期末短期借入金―期首短期借入金)
+(期末割手・譲手―期首割手・譲手)
+(期末長期借入金―期首長期借入金)
総合収支(G)=(C)+(D)+(E)+(F)
経常収入(A)= 売上高+営業外収益
―(期末売上債権―期首売上債権)
経常支出(B)=((売上原価+販売費)―減価償却費)
+(期末棚卸資産―期首棚卸資産))
―(期末仕入債務―期首仕入債務)
+(支払利息・割引料+その他の営業外費用)
経常収支(C)=(A)―(B)
固定資産関係収支(D)=△((期末固定資産―期首固定資産)
+減価償却費))
特別損益・その他の収支(E)=特別損益―法人税等引当額
―(期末その他流動資産―期首その他流動資産)
+(期末その他流動負債―期首その他流動負債)
+(期末その他固定負債―期首その他固定負債)
―(期末繰延資産―期首繰延資産)
財務収支(F)=(期末短期借入金―期首短期借入金)
+(期末割手・譲手―期首割手・譲手)
+(期末長期借入金―期首長期借入金)
総合収支(G)=(C)+(D)+(E)+(F)