前回の「経営改善計画書作成(30)でお話ししましたように、㈱ T-logistics がかって売上高のほぼ100%を請け負ってきら量販店が巨大スーパーDに吸収合併(平成19年1月16日)されたときのことでした。
「他の量販店の荷物を出しますから、頑張って会社を継続してくださいください」、といって助けてくれたのが、問屋さんがつくる協会でした。
協会メンバーの支援を恩義に感じた㈱ T-logistics は以来運賃を据え置いたままでした。
問屋さんから預かる貨物の大きさは最低でも2才で、その平均運賃が224円。なんとゆうパック運賃の9.5%でしかありませんでした。
センターには毎日天井に届くほどの荷物が集まっていたというのに、平成24年決算での運送部門の営業利益はマイナス200万円、経常利益ではマイナス1200万円となってしまいました。
㈱ T-logistics 設立以来の大赤字でした。
これまでに幾たびも申し上げましたが、売上高の公式は、「単価×客数」です。これを運送会社に当てはめるなら、「運賃×貨物量」ということになります。
国の金融機関の協力を得て作成した「経営改善計画書」の実施に当たって、真っ先に取り組んだのが「運賃値上げ」でした。
問屋さんにお願いして、貨物一個当たり42円の値上げ(それでも他社に較べたら11.2%の運賃)を受け入れていただき、経営改善計画の四年目には、改善計画の目標値をはるかに上回る、売上高経常利益率9.3%を達成いたしました。
もちろんその前段階として、不採算路線を廃止してきたことが相乗効果となり、この値上げをさらに効果あるものになったのは「経営改善計画書作成(30)」でご説明申し上げた通りです。
この収益が数年先までは維持できると経営陣が確信した翌年の経営改善計画の五年目のことでした。
㈱ T-logistics 設立以来から取引を続けてきた問屋さんの一軒が、中国に進出した事業がうまくいかず、廃業してしまったのです。一社幾らの貸し切り運賃ではなく、たくさんの問屋さんからの荷物を積み合わせて預かってきましたから、年間で二千五百万円の売上高の減少はそのまま営業利益の減となってしまいます。
「経営改善計画書作成(29)」でも申し上げましたが、「何かをものにしようとするときに、必ずと言っていいほど立ちあらわれるのが大きな壁である。そしてその壁をやっとのことで乗り越えたと思ったら、またまた新たな壁が立ち現れる。
次々に現れてくるこれらの壁を腐らずに乗り越え続けていくことで、わたしたちは人間として進歩できる。もしこの試練を厭うていたなら、かってのわたしのように進歩は望めないし、また何もモノにすることはできないだろう」
世の中というものがなかなか自分の思うようにはいかないものであることを、この出来事によって、改めて痛感させられた次第です。
経営者の仕事とはきっと、このように目の前に立ち現れる試練をひとつひとつを確実に乗り越えていくこと、ではないでしょうか。
改善計画五年目の結果を下にまとめておきました。
忘備録
資金収支表作成のための計算式
経常収入(A)= 売上高+営業外収益
―(期末売上債権―期首売上債権)
経常支出(B)=((売上原価+販売費)―減価償却費)
+(期末棚卸資産―期首棚卸資産))
―(期末仕入債務―期首仕入債務)
+(支払利息・割引料+その他の営業外費用)
経常収支(C)=(A)―(B)
固定資産関係収支(D)=△((期末固定資産―期首固定資産)
+減価償却費))
特別損益・その他の収支(E)=特別損益―法人税等引当額
―(期末その他流動資産―期首その他流動資産)
+(期末その他流動負債―期首その他流動負債)
+(期末その他固定負債―期首その他固定負債)
―(期末繰延資産―期首繰延資産)
財務収支(F)=(期末短期借入金―期首短期借入金)
+(期末割手・譲手―期首割手・譲手)
+(期末長期借入金―期首長期借入金)
総合収支(G)=(C)+(D)+(E)+(F)
経常収入(A)= 売上高+営業外収益
―(期末売上債権―期首売上債権)
経常支出(B)=((売上原価+販売費)―減価償却費)
+(期末棚卸資産―期首棚卸資産))
―(期末仕入債務―期首仕入債務)
+(支払利息・割引料+その他の営業外費用)
経常収支(C)=(A)―(B)
固定資産関係収支(D)=△((期末固定資産―期首固定資産)
+減価償却費))
特別損益・その他の収支(E)=特別損益―法人税等引当額
―(期末その他流動資産―期首その他流動資産)
+(期末その他流動負債―期首その他流動負債)
+(期末その他固定負債―期首その他固定負債)
―(期末繰延資産―期首繰延資産)
財務収支(F)=(期末短期借入金―期首短期借入金)
+(期末割手・譲手―期首割手・譲手)
+(期末長期借入金―期首長期借入金)
総合収支(G)=(C)+(D)+(E)+(F)
言い訳
いまわたしは小説を書いています。
四十代の頃には、オール読物新人賞(文藝春秋社)に応募した作品は、どれも予選を通過しましたが、代表者を引退してから書き上げた三作は予選さえ通りませんでした。もう書くのは止めようかと思っていたのですが、頭の中に有象無象のものが蠢きはじめて、吐き出さないでいると気が狂いそうになってきます。そんなわけで、ここしばらくの間は、書くことに集中してみたいと思っています。その間、ブログは休ませていただきますので、どうかご了承ください。