わたしたちがいま勉強しているキャッシュフロー計算書による「資金繰り予測」はあくまでも経営者がする管理会計の手法です。経理部門の担当者が作成する「資金繰り表」とは異なることをご了承ください。

企業は資金が枯渇したとき、即倒産を迎えます。

管理会計による資金繰りは、これから先一年間、企業を安心して運営するために経営者自身で作成しておかなければならない作業の一つです。

ですから、資金の保全を見るだけですので、いま学んでいる「キャッシュフロー計算書」でなく、前にこのブログで学んだ「資金収支表」でも一向にかまいません。

わたしが小説を書いていることはお話ししました。

過去の財務諸表を紐解いている過程で、会計とはまったく別のことに気づきました。

小説を書くにあたって一番重要な作業は、設計図(プロット)を作り上げることです。

そしてこのプロットの出来次第で、新人賞予選通過ができるかできないかが決まりますから、疎かにできません。

経営分析をものにするには、過去の決算書のすべてを、見様見真似で、実際に自分の手で繰り返し繰り返しやってみることがどうしても必要です。

わたしは先ほど申し上げましたが、過去の財務諸表を繰り返し繰り返し分析し続けるなかで、前に読んだ小説を何度も繰り返して読みながら、読み終えてから小説の設計図(プロット)を書き出してみたことがただの一度もなかったことに遅まきながら気づいたのです。

これは大発見でした。

難しいプロットづくりを、授業料を出して小説教室の師から学ぼうとしなくても、過去に読んでただ書棚に並べ置いてあるだけの小説を一冊ずつ取り出して、実際に学んでみればいいだけなのです。宝物は埃をかぶって書棚に埋もれていたわけです。

内田康夫の「華の下にて」と「風の中の櫻子」は内容はまったく別ものですが、設計図は同じものを使っていました。

つまり、プロットは、古今東西にかれた書物の中に、すべて尽くされていますから、ただそれを学べばいいだけの話に過ぎなかったのです。

おそらく小説教室の師も、そうやってプロット(設計図)作りを学んだに違いありません。あとは生徒がその中に何を盛り込むかです。盛り込む内容によって、「華の下にて」と「風の中の櫻子」のように別の作品に仕上げることができるのです。

ご参考までにやはり内田康夫の作品「志摩半島殺人事件」と「鄙の記憶」でプロットを覗いてみましょう。

「志摩半島殺人事件」 人物相関図と要約



「鄙の記憶」 人物相関図と要約





過去の決算書、月々の試算表、そして現場から上がってくる資料を繰り返し見続けているだけで、趣味の分野でも、ある日ふと新発見をすることを気づかされたのは驚きでした。勉強は本当に楽しい、とつくづく実感しています。

さて本題に戻り、資金繰り予測表7月度を作成してみましょう。

損益計算書予算(7月)


貸借対照表予算(7)



利益金処分案予算(8月)



資金繰り予算(7月)