朝日新聞(夕刊2019年12月4日(水))の社会面に「人生100年時代 高齢者の居場所は」と題された記事が掲載されていました。

長年勤めて役員にまでなったビル会社を辞めた横浜市に住む男性(74)は、五年ほど前から競輪の場外車券売り場にほぼ毎日行く。

「風邪や腰が痛いとき以外は来ている。年に350日にはなる」

「毎日競輪という生活に飽きもきている。でもすることがないから来ちゃう。いまはここしかない」

イオンは全国9店を、早朝のラジオ体操向けに開放している。東京都江戸川区の葛西店は、店内の通路に一周180メートルのウオーキングコースを設置した。利用は無料。年中無休で屋根があり、空調も常にきいている。高齢者の中には一日いること。

「総務省の人口推計によると、65歳以上の高齢者は、9月15日時点で3588万人。総人口に占める割合は28.4%で過去最高を更新し続けている」

場外車券売り場に通い続けている人は、役員にまで上り詰めた人だから、一日の大半の時間を寝食を忘れて仕事だけに費やしてきた、企業戦士の一人だったに違いない。

わたし太郎はそこまで仕事一途にはなれなかった。勉強をするのは好きなので、どんないに忙しいときでも、たとえ睡眠時間を削ってでも、必ず「経営分析」と「文章を書く」時間だけは割いてきた。

書棚から適当に取り出した、小説のプロット(設計図)を抽出している、とお話をしました。譽田哲也作『武士道シックスティーン』を読み返していたところ、すっかり忘れていた、こんな文章を見つけました。

ときには、回り道をしてでも、たとえ立ち止まってでも、見つけなきゃならない答えってものが、ある。それは、誰かに教えてもらうんじゃ駄目なんだ。自分で見つけないと、意味がない

「勝負っていうのは、どんな世界に行ったって、どんな人生を送ったって、必ずついて回るものなんだよ。だから裁判や剣道だけじゃない、今やっている研究だって、他の人が先に発表しちゃったら、それはまた負けになってしまうんだ。(中略)人の一生なんて、いつどうなるかわからない、不安だらけのものなんだ。でもね、一つだけ、それに打ち勝つ方法を、見つけたんだ。(中略)それが好きだって行く気持ちを、自分中に確かめるんだよ。その好きだって気持ちと、勝負の不安を天秤にかけるんだ。(中略)好きだって気持ちの方が重たかったら、そのときはもう、やるしかんないんだよ。負けたっていい。しっぱいしたっていい。やるしかないんだ。(中略)他の誰かに先を越されたら、また次のを見つければいい。それよりも好きなものにめぐり合えない人生の方が、もっと悲しいし、つらいよ

「競輪車券場へ350日 することがない」の記事を読みながら、わたし太郎は好きなものにめぐり合えた幸運な人間の一人であったことを、たいへん嬉しくそして幸せに思いました。

資金繰り予算作成の本題に入る前に、みなさんには関心はないかもしれませんが、藤沢周平作『邪剣竜尾返し』の「人物相関図」を作りましたので、載せておきます。


資金繰り予算作成

損益計算書予算(9月)


貸借対照表予算(9月)


利益金処分案(9月)


資金繰り予算(9月)


半期資金繰り予算(4~9月)