コロナウイルスで、世間は大騒ぎ。
中国有数の工業都市、文教都市及び交通要衝でもある人口1000万人を超える武漢で街の全域を消毒する映像をTVニュースで見ていて、もう何年も前に亡くなってしまった知り合いの科学者の話を思い出していた。
消毒をすることでもちろん「ばい菌」は殺せるけれど、人間に悪さを働くことのない「ばい菌」までも殺してしまうことまで思い至る人はわずかだ。
そればかりではない。
消毒に生き抜いた「ばい菌」、もっと恐ろしい「耐性菌」となって立ち現れ、かえって人々を苦しめてしまうことだって起こりうる。
化学者の言葉の通り、数年前に、わたしはこんな経験をした。
口内炎にかかって内科医院で診てもらったところ、「これを飲めば二三日でよくなります」、と言われて抗生物質を処方された。
ところが抗生物質を欠かさず飲み続けていたところ、よくなるどころか、口の中が、気味が悪くなるほど真っ白に変わっていった。
驚いて、処方された薬をもって、大学の附属病院を訪ねた。
「口の中に住んでいるのは悪いばい菌だけではないのです。いいばい菌だってたくさんいるんですよ。抗生物質がこのいいばい菌も殺してしまった。だからこんなにひどい状態になってしまったのです。抗生物質は飲むのはすぐにやめなさい」
そういわれて抗生物質を飲まずにいたら、二三日もしないうちに、白いねばねばの粘液は消えて、口内がもとのピンク色にもどっていた。
もちろん口内炎も癒えた。
「人間も含めて、動物の体はばい菌だらけなのです。いいばい菌と悪いばい菌が微妙なバランスをとっている状態が健康なのです。むやみに菌を殺せばいいというものではない。消毒をすればするほど、それだけ耐性菌をつくることになってしまい、もっと恐ろしい状況を生み出してしまうことだって起こりうるのですよ」
この科学者の教えを、口内炎にかかって、はじめて実感した。
日本人はもともときれい好きな国民だといわれているけれど、もっと医学の力を信じ、むやみに消毒をするのだけはやめにしよう。
「資金繰り」とはまったく関係のないことばかりを、またまた長々と書き綴ってしまった。
前回の資金三表を使っての上半期の「資金繰り表」の続編として、下半期の資金繰り表も作成しました。お役に立てば嬉しく思います。