新規に長期借入金を申し込もうとするときに、銀行から財務諸表(損益計算書・貸借対照表・利益金処分計算書)および税務署に提出した付属明細書の提出を求められます。中小企業の場合はキャッシュフロー表の添付は不要です。キャッシュフロー表にかわる「資金収支表」を、提出された財務諸表をもとにして、銀行側はすぐに作成できるからです。

銀行が真っ先に重要視するのは、借入を申し込んできた会社の長期安全性です。

先の頁で、業績が思わしくないので、不足する資金を銀行から借りようという経営者の言葉がありましたが、この「長期安全性」からみて、拒否されることは確かです。

毎年予算を作成するときに、この「長期安全性」をみる「長期資本収支」のほんのわずかな改善でもいいので、常に念頭に置いてください。

「塵も積もれば山となる」、です。

「長期資本収支」計算式

長期借入金+繰延手形+長期未払金(設備)/
            経常利益×1/2+減価償却費

注:経常利益が赤字のときは1/2を乗じない

長期資本収支(年)

日本政策金融公庫取引先データ(平成11年度)による数値
上位:優良企業
中位:平均的企業
下位:平均以下の企業

資本資本収支の検討

以下のA社・B社の損益計算書と貸借対照表をもとに資本収益性の検討をしてみましょう。

まとめ

上の表を見ればお分かりのように、A社B社ともに中位に位置しています。

A社は倒産、B社は継続。この命運を分けたのは、一体なんだったのでしょうか。