上の図を見られたことがおありだと思います。そうです「損益分岐点分析」の頁に出てくる表です。「売上高=費用」が収支ゼロの売上高になり、損益分岐点以上の売上高が達成すれば「利益」が出て、以下なら損失ということになります。
損益分岐点売上高=固定費/(1-(変動費/売上高))が損益分岐点の公式です。
損益分岐点分析は、売上高、経費、利益の関係が算式で表されており、経営管理にとても役立つ手法です。
私も以前は自社の分析手法のひとつとして使っていましたが、いまはほとんど利用していません。
固定費は売上高が増減しても変わらない費用で、変動費は売上高の変動に比例して増減する費用のことなのですが、実際はほとんどの費用科目が売上高の増減につれて動いてしまうものですから、手間ばかりがかかるもので煩わしくなってしまったのです。この手間を惜しむというのがわたくしの「鈍」なところであり最大の欠点でもあるとは十二分に分かってはいるのですが。
でも何度かは実際に自社の財務諸表を手元に、取り組んでみられることは無駄にはなりません。
ご参考までに「中小企業の原価指標(中小企業庁)での費用分解」の一覧を載せておきますので、ぜひともご利用ください。
建設業
固定費
労務管理費・租税公課・地代家賃・保険料・現場従業員給料手当・
法定福利費・福利厚生費・事務用品費・通信交通費・交際費・
補償費・その他の経費・役員報酬・従業員給与手当・退職金・
修繕維持費・広告宣伝費・支払利息割引料・減価償却費・通信交通費・
一般管理費の動力・用水・光熱費、従業員教育費・その他の管理費
変動費
材料費・労務費・外注費・仮設経費・完成工事原価である動力・用水・光熱費、運搬費・機械等経費・設計費・兼業原価
製造業
固定費
直接労務費・間接労務費・福利厚生費・減価償却費・賃借料・保険料・
修繕費・水道光熱費・旅費交通費・その他の製造経費・販売員給料手当・通信費・支払運賃・荷造費・消耗品費・広告宣伝費・交際接待費・その他の販売費・役員給料手当・(管理部門・販売部門)事務員販売員給料手当・支払利息割引料・従業員教育費・租税公課・研究開発費・その他の管理費
変動費
直接材料費・買入部品費・外注費・間接材料費・その他直接経費・重油等燃料費・当期製品仕入原価・期首製品棚卸高-期末製品棚卸高・酒税
販売業(卸売業・小売業・飲食業)
固定費
販売員給料手当・車両燃料費(卸売業50%)・車両修理代(卸売業50%)・販売員旅費交通費・通信費・広告宣伝費・その他の販売費・役員給料手当・管理事務員給料手当・福利厚生費・減価償却費・交際接待費・土地建物賃借料・保険料(卸売業50%)・修繕費・水道光熱費・支払利息割引料・租税公課・従業員教育費・その他の管理費
変動費
売上原価・支払運賃・支払荷造費・荷造材料費・支払保管料・
車両燃料費(卸売業50%)・保険料(卸売業50%)
(注)小売業は燃料費・車両修繕費・保険料は全額固定費
運輸・通信業・不動産業・サービス業
固定費
直接従業員給料手当・役員給料手当・間接従業員給料手当・福利厚生費・
消耗品費・広告宣伝費・車両燃料および修理費・土地建物賃借料・
減価償却費・保険料・支払利息割引料・租税公課・従業員教育費・
その他の営業費
変動費
直接材料費・水道光熱動力費・外注費