今年は忌中で来客はありませんでした。
テレビを観ることはほとんどありませんでしたが、小説を読んだり、机に向かってうちに、いつの間にか、それこそほんの一瞬に、三が日が過ぎてしまいました。
正月の三日間は、新田次郎・中上健次・大沢在昌の小説を、プロットの抽出をしながら、読み返していました。
大沢在昌の小説は、プロット作成の勉強に大いに役立ち、新春最初に短編『フィナーレの破片』を抽出してみました。
義兄の愛人清美に密かに思いを寄せる川村が、失踪人調査人佐久間公に語った次の言葉には泣かされました。
「姉はね、良くも悪くも、女なんだ。女としての弱さを人一倍持っていて、それが姉の魅力でもあった。だから自分が病気になり、亭主が他に女を作っても、恨むことも、憎むこともしない。ただ、ひたすら悲しむだけなんだ。私はそういうあの人をかわいそうだと思う。もし清美さんと姉の立場が逆になれば、清美さんは怒り、憎むことで自分を保てる。だが、私の姉にはそれができない」
今回から、キャッシュフロー計算書(間接法)で学んできた歴月の予算んではなく実績を、キャッシュフロー計算書「直接法」を使って作成してみます。
企業の価値をどこにおくのかは、経営者の考えによって様々だとは思うますが、キャッシュフローに重きを置くのは、「企業が一年間に稼ぐキャッシュが多ければ多いほど、その企業の価値が大きくなる」という考えに基づいています。
それにしても、簿記の資格を有しないわたし太郎には、やはり、「キャッシュフロー計算書精算式」の作成は手ごわかった。恥ずかしい話ですが、どうしても現金預金勘定がわずかですが合わなくて、転記間違いがないかどうかの確認も併せて、何度も何度もやり直しました。
AI(artificial intelligence・人工知能)、AIとよく言われますけれど、わたしは人間の力に信頼をおきます。
大沢在昌の短編集『鮫島の貌』「区立花園公園」に「学歴が申し分ないからと言って、個人としての能力が優れているとは限らない。面倒な仕事を下に押し付ける権力があるだけに、いつまでも進歩しない人間もいる」という一文があります。
そしてまたノーベル医学賞と化学賞を受賞したアメリカ人25人の出身大学をみたところ、「大学偏差値ランキング」どおりに成功がきまっていたわけではなかった(『頭は「本の読み方」で磨かれる』茂木健一郎)。
鈍なわたしにはちょっとほっとする一文でした。
キャッシュフロー計算書直接法(もちろん間接法も同様ですが)を考え出した人が誰かは知らないけれど、このすごい能力の持ち主に、学ぶだけでもう精いっぱいのわたしは、ただただ感嘆し感謝するばかりです。
損益計算書(52期4月実績)
貸借対照表(52期4月実績)
利益金処分案(52期4月実績)
精算表(52期4月実績
キャッシュフロー計算書直接法(52期4月実績)
次回は52期5月の実績をキャッシュフロー計算書を直接法でトライしてみたいと思います。
そして、小説のプロット抽出は、中上健二の『岬』を選びました。