日本国内で製造するよりも、人件費の安い中国で作ったほうが強い競争力を持つことができる。そう判断して企業が日本国内から中国に工場を移し始めたころの話である。
わたしの大先輩である高名なコンサルタントが、「馬鹿な話だ。中国に技術を盗まれて、すぐに自分の首を絞めることになるだけではないか」、と大反対をされた。
それからほぼ三十年の年月が流れ、中国の国民生産高はアメリカに次いで世界第二位を占めるまでになった。そのため、中国から日本へ大勢の観光客が押し寄せるようになって、思いがけない経済効果もあった。
しかし当社の取引先のほとんどが、中国に生産拠点を構えている。コロナウイルスが一日もはやく終焉してくれないと、倉庫が空になって、内容検品どころか出荷さえままならなくなってしまう。
これから先の売り上げを考えているだけで、頭が痛くなってきて、気が重くなる。でも所詮、この世はなるようにしかならないものだ。観念して、頭だけは鍛え続けていこう。
本題に入る前に、今回もまた、小説のプロット抽出に取り組んでみたい。
『暗黒剣千鳥』藤沢周平プロット
主人公
三崎修助(人物設定)
年齢 23
体付き 顔 丈はあり、男ぶりはよし(嫂の評価)
長所 短所:学問嫌い 曾我道場次席 免許取り
物語の役割: 用人明石嘉門を闇に葬ることを、牧次席家老から、同じ曾我道場の奥田喜市郎、戸塚伊織、増村道場の服部繁之丞、山口駿作らとともに命じられ、神文誓約書を差し、三年前の夏の夜に果たす。 闇討ちされた戸塚伊織の通夜の帰りに襲撃に気づく。 そしてまたしても斬られた奥田喜市郎が絶命する前の「匂った。くすり」のことばに、戸塚伊織の通夜の帰りに襲撃を受けたときに気づいた匂い思い至る。牧次席家老への疑惑が膨らむ。 牧家老が江戸で空鈍流を修行・名人の域に達し、曾我次左衛門を自宅に呼び千鳥の秘剣をうけたことを知る。同門の柚木兵之進を相手に半月間、激しい稽古を積み、柚木に抜き打ちに顎を狙わせる剣を使わせ、その剣をかわして反撃に転じる剣を工夫。闇討ちしてきた牧家老を斬る。
家族等 兄三崎吉郎右衛門 家禄100石 嫂松乃 朝岡泰江は婚約者
朝岡泰江(人物設定)
年齢 18
顔 可憐な娘 わずかに紅をはいた頬 黒目がちの目 小さく膨らんだ唇 輝くような白い歯
長所短所: 修助を信頼している。
物語の役割:三崎修助の婚約者 修介にとって、一点の小さな明かり ただ一つの救い
家族等 修介との話を喜ぶ父(元郡奉行朝岡市兵衛 家禄130石)・母 妹13歳
三崎修助の師
曾我平太夫(三徳流:曾我道場主)
三徳流創設者(曾我の祖父又七郎名人 千鳥の秘剣を父次左衛門に伝える)の孫
年齢 四十半ば
顔 顎に漆黒の髭 常に冷静で、品がいい。
物語の役割:曾我の祖父又七郎のあみ出した「千鳥」は居合の技で足音を立てないように 足袋裸足で敵に向かう。平太夫は、曾我道場の古い門人録に牧家老の名前の下に「千鳥」の二文字があるのを見つけ、三崎修助に示す。江戸で空鈍流を修行・名人の域に達した牧家老は自宅に次左衛門を招いて「千鳥の秘剣」をうけたのである。修助に、「剣士として千鳥に立ち向かう工夫があるべきだ。油断なく立ち向かえ」と伝える。
三崎修助の同士・部屋住みの若者
1 奥田喜市郎(人物設定)
顔 浅黒くて平べったい顔手
長所短所: 曾我道場同門 どんな難剣も粘り強く跳ね返す受けの剣。闇討ちにあって斬られた肩口の傷が致命傷となるが、修介を呼び「匂った。くすり」と伝えて絶命
物語の役割: 用人明石嘉門を闇に葬ることを、牧次席家老から、曾我道場の三崎修介、戸塚伊織、増村道場の服部繁之丞、山口駿作らとともに命じられ、神文誓約書を差し、三年前の夏の夜に果たす。
2 山口駿作(人物設定)
体つき 背が低く小太り
長所短所:増村道場五指に入る屈指の遣い手 軽妙な剣を使い、籠手打ちの名手 牧家老の屋敷呼ばれた一か月の間に闇討ちにあって、一太刀で首の血脈を絶たれ絶命
物語の役割: 用人明石嘉門を闇に葬ることを、牧次席家老から、曾我道場の三崎修介、奥田喜市郎、戸塚伊織、増村道場の服部繁之丞、山口駿作らとともに命じられ、神文誓約書を差し、三年前の夏の夜に果たす。
3 戸塚伊織(人物設定)
長所:曾我道場五指に入る屈指の遣い手
物語の役割: 曾我道場の三崎修介、奥田喜市郎、増村道場の服部繁之丞、山口駿作らとともに命じられ、神文誓約書を差し、三年前の夏の夜に果たす。禰宜町で闇討ちにあい一太刀で首の血脈を絶たれ絶命
4 服部繁之丞(人物設定)
長所短所:増村道場五指に入る屈指の遣い手
物語の役割: 曾我道場の三崎修介、奥田喜市郎、戸塚伊織、増村道場の服部繁之丞、山口駿作らとともに命じられ、神文誓約書を差し、三年前の夏の夜に果たす。五日前に闇討ちにあい一太刀で首の血脈を絶たれ絶命 屈指の遣い手
牧家老の敵対者
明石嘉門(人物設定)
年齢
顔 鋭い頭脳と胆力 端麗な男ぶり
長所短所:天心独名流の奥儀を極めた健脚 家中で奸物呼ばわりされる 有能で水際立った政治力
物語の役割: 藩主右京太夫の寵愛が深い 三年前の夏の夜、下城のとき、牧家老に命じられた部屋住みの若者三崎修助、奥田喜市郎、戸塚伊織、服部繁之丞、山口駿作ら五人に襲われて殺される。
職業 代々家禄85石 近習組に出仕 30歳で..郡代(250石) 側用人 組頭400石
主人公三崎の敵対者
牧治部左衛門(人物設定)
年齢
体付き 三年前も肌には照りがなく、顔も手足もむくんだように青白かった。が当時は、いかつく大きな体をしていた。しかし今は頬の肉が落ち、かん骨がとびだし、喉ぼとけも、胸元の鎖骨も高く現れていた。 肌は黄ばみ、目の下には黒い隈ができている。
顔 眼の光と響きのよい声
長所短所:薬の香が強く匂う
物語の役割: 用人明石嘉門を闇に葬ることを、曾我道場の三崎修介、奥田喜市郎、戸塚伊織、増村道場の服部繁之丞、山口駿作の5人に神文誓約書を差し出させ、三年前の夏の夜 闇討ちを命じる。 神文誓約書を差し出した最後の一人三崎修助を闇討ちしようとして、斬られる。
職業 長らく筆頭家老を勤めたが、二年前に病を得て引退しようとしたが、懇望されて次席家老にとどまる。病床の名執政と呼ばれる。
概要:家代々の家禄85石の明石嘉門は近習組に出仕してから数年の間に異例の立身をとげ、30歳で郡代250石に、さらにその2年後には側用人となり、藩主右京太夫からの信頼は厚く、側用人から中老が手に届く組頭に昇進し400石に加増された。次席家老牧治部左衛門は三崎修助たち5人の剣士を呼び集め、神文誓詞を出させたうえで、藩を危うくする奸物を闇に葬れと命じた。嘉門の死から3年が過ぎて、5人の剣士のうち服部繁之丞、戸塚伊織が一刀のもとに喉を斬られ即死。修助と奥田、山口が家老屋敷に呼ばれた。「夜間の外出はひかえろ」という家老牧治部左衛門は病の床にあり、強い薬の香が匂っていた。戸塚の通夜の帰りに修助も襲われかけた。それからひと月も経たないうちに山口が一撃の頸部斬りで死に、奥田も待ち伏せされた。受けの剣を得意とする奥田は、喉をわずかにそれて肩口を斬られ、修助が駆けつけるとまだ息があり、「匂った。くすり」の言葉を残して絶命した。修助の師曾我平太夫は、一撃の頸部斬りは居合の「千鳥」ではないかといい、古い門人録を開き、牧忠次郎の名前の下に「千鳥」の二字があるのを修助に示した。忠次郎は家老牧治部左衛門が家禄を継ぐ前まで使っていた名であった。
本題の「経営分析」よりも、今回もまた、余談の方が長くなってしまった。
消費税の算出は、予算作成にあたっても、資金繰りにおいても大きな影響をもたらすことになるので、概算で構いませんから、経営者はまえもって知っておく必要があります。しっかり勉強しておきましょう。