自分の手で「資金繰り表」を作成できる経営者の数は極めて少なく、むしろ稀でしょう。
ほとんどの経営者が、経理担当者や顧問税理士任せで、「金銭出納帳」・「総勘定元帳」・「会計伝票」を定期的に確認をしていることはないはずです。
「金銭出納帳」・「総勘定元帳」・「会計伝票」の三つから作成できるのは「実績資金繰り表」であって、これらから「資金繰り予測」を立てるのは、「損益計算書予測」はもちろんのこと、「売掛金回収」・「売掛残」・「受取手形期日明細」・「受取手形残」・「割引手形期日明細」・「割手残」・「割引枠」・「割引料」・「買掛金支払」・「買掛残」・「支払手形期日明細」・「設備新計画」・「借入金返済」など、前もって、非常に小難しい技術をひとつひとつ習得していかなければばなりません。慣れてしまえばなんということもないのですが、多忙な経営者むきではありません。
むしろ経営者には、「損益計算書予測」と「貸借対照表予測」とから作成できる、「資金移動表」・「資金収支表」・「キャッシュフロー間接法」の資金三表を使って「資金繰り予測」を立てることを、お勧めします。
エクセルで形を作っておくだけで、銀行の融資担当者がしているように、「貸借対照表」・「損益計算書」の数字を入力するだけで、「経営分析」はもちろんのこと、「資金繰り表」まで出来てしまうのですから、とても便利です。
資金三表を利用して、上半期の「資金繰り表」を作成してみました。
資金三表のうちで、経理が作成する「資金繰り表」に最も近いのは、「資金移動表」です。手始めにこの表から習得してください。