「経営分析って何か難しそう」
実はわたくしも若い頃はそう思っていました。
だって、変動費とか固定費、それらを使った損益分岐点分析、数々の財務諸指数を出す算式などなど、目につくのは小難しい言葉ばかりですから。
でも結局のところ、「売上高経常利益率」をよくするには経営者はいったい何をしたらいいのか、という、たったのひとことに要約できるのです。
それを数式で示すなら、やはり 客単価×客数=売上高です。
客単価を1から2にあげれば、客数は同じでも、売上高は2倍になります。
客単価を2倍に、客数を1.5倍にあげれば、売上高はいうまでもなく3倍。
要は、単価を上げるにはどうしたらいいのか、客数を増やすにはどうしたらいいのかが経営者の担うべき仕事ということになります。
あわせて原価を抑え、「売上高経常利益率」を高くし続けていくなら、黙っていても他の「財務諸指数」は改善されていく。
㈱ T-logistics は長年にわたって、業界の三分の一にも満たない運賃で商いをしてきました。
それでも賃金は業界の水準を超えてたため、売上総利益は14%まで落ち込んでしまいました。
経営改善計画実行の先頭に立った新社長は、手はじめに不採算ルートからの撤退を行うのと同時に、取引先に対して来期に向けて運賃の値上げをお願いする交渉をはじめました。