金融機関は借入を申し込んできた会社の財務内容、調査機関の情報等にもとづいて、信用格付けを行ないます。

信用格付けはリスクの有無によって10段階に分けられ、その格付けにもとづいて、融資先(債務者区分)を正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先に分けます。

10段階に分けられたリスクの有無の内、4~6段階が要注意先、7段階以降が破綻懸念先から破綻先と判断されます。

さらに正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先の融資先を、担保・保証等により、それぞれを四つに分類し、優良担保・優良保証により保全されている部分を第一分類としています。

したが、って融資を求めようとする会社にとって、財務面の健全性を維持し、改善し続けることが重要な課題となります。

「業績が悪化ないし低迷し、債務者区分が例え「要注意先」以下に区分される場合であっても、実効性のある経営改善計画書が策定されていれば、これを前提に一段上の上の区分への引き上げが可能となります」

実効性のある経営改善計画書とは、「計画期間が5年以内で、その実現可能性が高く、計画期間終了後の債務者区分が正常先となるような」計画をいいます。

以下は「経営改善計画」を策定するプロセスです。

自社の分析
財務諸表、社内データをもちいての期間比較
同業他社(上位・中位・下位)との財務諸指数比較
異常個所の抽出

問題点の洗い出し
異常個所の原因を推定
社内データにより原因を推定

目標の設定
損益分岐点分析
目標利益の設定

改善策の検討
問題点を改善する実現可能性と効果の検討
責任者の決定

経営改善計画の策定
改善計画書
改善スケジュール
予想損益計算書
予想貸借対照表
資金収支表

改善計画の実施
進捗状況の管理(実施責任者)
従業員への周知徹底

効果の把握
月次決算による計画・実績の差異分析
経営改善委員会への報告

改善計画の見直し
目標修正
改善方法の修正
従業員へのフィードバック

※ 中小企業金融公庫(現 日本政策金融公庫)主催『経営改善支援セミナー』「決算書を等を使った経営改善策の検討」の資料からの抜粋 ※

次回からは、㈱ T-logistics の実際の「経営改善計画」の策定とその実施状況を詳細に見ることにします。