会社を経営していると、思いもよらなかった事態に陥ることがあります。

不運にも、前社長が就任した翌年に、東関東から北海道までの量販店・専門店むけの出荷業務を長年にわたって受注してきた婦人下着メーカーの仕事が、物流の一元化で関西に移り、部門の売上がすべてが失われてしまいました。

その結果「W期」は、それまで辛うじて経常利益を維持し続けてきた当社がはじめて大きな赤字を経験した「期」になると同時に、「経常収支尻」がマイナスになるという信じられない事態を招いたのです。
当社の一事業部門でしかありませんが、この一覧表は、仕事を失ったときの恐ろしさ教えてくれる記念すべき資料となるとともに、他の事業部門も収益がでているからと安閑とせず、このような事態に備えて改善に次ぐ改善を行ない、より高い利益がだせるように努力し続けることの大切さを教えてくれています。

暦年の売上総利益をみるかぎり、ダントツの売上を上げている運輸部門には、改善しようとする努力の痕跡すら見あたりません。

苦しい時ほど経営者は学ぶことが多いものです。これから業績を回復できた「A期」まで、経営陣にとってはまさに苦難の連続でした。

同じことを何度も申し上げます。
表をただ眺めるだけではなく、エクセルを使って下記資料をそのまま入力し、数値が正しいか否かを必ず自分で確認ください。あわせてこの表をまねて自社三期分の財務諸表を実際に分析してみてください。社員には見えなくとも、経営者には見えてくるものが必ずあるはずです。

経営改善計画を作成するための準備資料(2)

W期 経営分析

X期 経営分析