九月も半ばを過ぎて、急に秋めいてまいりました。

しかし今夏の酷暑の影響でしょうか、体内の命の炎がかなり細くなってしまったようで、帰宅して自分の部屋に入って、寝転がって本を読んでいたはずなのに、いつの間にか寝てしまっていることが多くなりました。

日がかげってすでに薄暗くなって、ふっとまどろみから覚めると、読みかけの『学生街の殺人』(ここ一週間に東野圭吾のこの小説を五回読み返している)が広がったままの状態で胸の上にのっていました。

どこまで読んだのだろうか。

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(松木は)自分のことについては喋らなかったが、光平(主人公)にはいろいろと質問してきた。彼は特に、光平が大学卒業後に企業に就職しなかったことについて興味を持ったようだった。その理由についてしつこく尋ねてきたのだ。

「働きたくないわけじゃないんだ。ただ僕たち機械工学科の学生は、卒業したら製造業のサラリーマンになることが決まっちゃっているみたいなんだよね。だけど僕は別にそういう道はきぼうしていないんだ。もっと広い範囲の中から、自分が本当に打ち込める仕事を見つけたいと思ったんだ」

「お前、それはなかなかいい考えだよ。今の世の中は、自分の進路を決めようと思った時にはすでにレールの上がっている有様だからな。だけど夢見るだけじゃ駄目だぜ。自分が動かなきゃ、世界は変わらないんだ」

夢見るだけじゃ駄目だぜ。自分が動かなきゃ、世界は変わらないんだ、というこの文章を読み返しながら、遠い青春時代に、わたしもまた夢を見ながら、ただ無為の日々を過ごしていたことを、重い心で思い返していた。

さて本題に入ります。

前回の「経営計画の立て方(22)でお約束した「資金三表」の作成による課題の抽出に取り組みます。

前回との整合性を保つため、今回もまた「T-logistics社」の決算資料をお借りして、「キャッシュフロー計算書(間接法)」を作成しました。

次回に「資金移動表」・「資金収支表」を載せますけれど、ぜひご自分の手でトライしてください。

では

47期と48期の「キャッシュフロー計算書(間接法)」



47期

「営業活動によるキャッシュフオー」がマイナス。

「投資活動によるキャッシュフロー」は、「営業活動によるキャッシュフオー」の範囲内でのマイナスが求められているのに、プラス。

「財務活動によるキャッシュフロー」は「長短借入金」はマイナス、そして社債・株式発行収入はプラスが求められる。

「T-logistics社」は現金預金を取り崩すことにより、「営業活動によるキャッシュフオー」のマイナスと「投資活動によるキャッシュフロー」のプラス、及び「財務活動によるキャッシュフロー」のマイナスを補っている。

しかし現預金がいつまでもあるわけではなく、このまま手を打たなければ、危機に直面することはいうまでもなく、早急に「経営計画立案」に取り組むこととなった



48期

「営業活動によるキャッシュフオー」がわずかながらプラス。

「投資活動によるキャッシュフロー」は、「営業活動によるキャッシュフオー」の範囲内を僅かばかり超えてプラス。

「財務活動によるキャッシュフロー」は「長短借入金」はマイナス。

48期においても47期ほどではないものの、現金預金を僅かに取り崩し、「営業活動によるキャッシュフオー」のプラスと合わせることで、「投資活動によるキャッシュフロー」のプラス、及び「財務活動によるキャッシュフロー」のマイナスを補っていた。

「T-logistics社」は、48期において49期以降の「経営計画」を立案し、49期以降、「経営改善計画」に取り組むこととなった。

付録

経営者として心配でならない、コロナの現況