通勤途中に広がる、「見沼用水東縁」にそって走る県道の西側の水田の一角で、ちょうどいまごろの季節になると「コスモス祭り」が開かれるのだが、今年は「コロナ禍」で見送られた。
でも道路端のそこここで、そよ風に揺れて花を咲かせる、可憐なコスモスのひと群れひと群れが、目を楽しませてくれている。
NHK制作局 経済・社会情報番組「ファミリーヒストリー」担当者から「お会いしたい」とのメールがあったのは、一昨年のコスモスが咲くちょうどこの季節のことだった。
(わたしなどにNHKからメールがくるはずがない)
そう思って、メールを削除して放置していたら、どこでどう調べたのか、NHKから会社に直接電話があった。
電話を受けた総務の担当者も、半信半疑でわたしにつないだ。
「ホームページを拝見しました。静岡県掛川市で薬局を営む、俳優伊東四朗さんの母方の姓が「熊井」で、その先祖の地は長野県だと聞いているのですが、長野のどこの家を本家とするのかがかわからないので、知っておられたらぜひ教えてほしい」、という内容だった。
「わたしは当家の由来を調べているだけなので、他家のルーツのことは分からない」、といって電話を切った。
もうずいぶんと前のことになる。
県立図書館まで行って電話帳を閲覧して書き写した全国の熊井姓のお宅に、自分で調べ上げて作成した「熊井家の由来」という小冊子を、郵送したことがあった。
NHKの担当者から、今度は自宅の方に電話があった。
「長野県の各地を訪ね、たまたま、大学の先生をされている熊井さんのお宅にお伺いしたところ、熊井姓について書かれた小冊子を渡されました。読み進むうちに、熊井さんが書かれたことを知りました。やはり熊井さんにお聞きするしかありません。教えてください。家系図をお持ちの熊井さんはご存じありませんか」
家系図を持つ当家の総本家は、現在長野市に住んでおられる。
「総本家」の了解を得て、住所・氏名・電話番号を担当者に伝えた。
放送後すぐに、クロマグロの養殖に世界で初めて成功した近畿大学水産学部の熊井英水教授(現在理事)から、放送を見たとおっしゃって電話をいただいた。
「放送に映っていた表札は、塩尻の実家のものだった」、と笑っておられた。
当家の総本家当主が家系図を開いている姿も映っていた。
後日、「テレビに出られた。もう思い残すことはない」、との喜びのメールが届いた。
しかし、放映された内容に、あきれてしまった。
熊井姓は、もともと同じ塩尻市熊井の地が遠祖の地なので、熊井を名乗っているからには、きっとどこかでつながってるのは間違いはないのかもしれませんが、伊東四朗さんの母方が、長野のわが総本家といかにもつながりがあるかのように、放映されていたのだった。
でも伊東四朗さん直筆の礼状が届いたのはうれしかった。
妻が見ていたテレビドラマのなかで演じている伊東四朗さんの渋い演技に心惹かれ、主人公の姿と重ね合わせて書いた『暗黒の川』が、かってオール読物新人賞二次予選通過作品となったからである。
さて本題。
T-Logistics社の決算書では、「製造原価」と「販管費及び一般管理費」が「販売費および一般管理費」のなかにまとめられてしまっているので、「損益分岐点分析」をしても、「経営計画書」を作成するにあたってほとんど役に立はたない、とお伝えした。
しかし「部門別損益計算書」が作成されていたので、これを利用して「販管費」から「製造原価」を抽出することにした。
次回は、こうして作成した「損益分岐点分析」と決算書掲載の「損益計算書」から作成した「損益分岐点分析」との違いを具体的に比較してみる。