「損益計算書」予算が提出されて、さっそく「貸借対照表」予算の作成に取り組んだものの、もう何十年と取り組み続けてきて慣れているはずなのに、「土台となる資料」の作成に四苦八苦し、ようやくのことで「資金繰り」予算を作成し終えた。
前期同様、このコロナ禍のもとで、予算通りの収益が上げられるかどうか、不安でならない。
しかも、売上高5%ダウン以下でなければ、コロナ資金は借りられないというが、その資金を借りるために、まさか怠けるわけにはいかないし、本当にいつもながら「資金繰り」には頭を抱えてしまう。
「財務諸指標」には、「収益性」・「効率性」・「安定性」・「成長性」・「採算性」をはかる五つの区分がある。
前回まででこの「財務諸指標」五つのうち、「収益性」について、A社の資料を参考にして、その具体例を示した。
株式会社経営ソフトリサーチ(日本政策金融公庫関連会社)では、従来は分かりやすく「上位」・「中位」・「下位」と表現されていたが、現在では「標準偏差」が使われるようになっていて、その「標準偏差」の意味が理解できていない人には、書かれていることが、何がなんだかさっぱり分からなくなってしまっている。それは帝国データーバンクの資料も同様である。
「標準偏差」を使って全体の中の順位を示すものは「偏差値」である。
前にも書いたが、1960年代に、公立中学校の理科教師桑田昭三氏が生み出した「偏差値の算出式」を載せておく。
この算出式を使って、自社の「平均財務諸指標」のそれぞれが業界のどのあたりに位置しているかを計算してみてほしい。
偏差値=((自分の得点-平均点)÷標準偏差)×10+50
今回は「財務諸指標」の二番目「効率性」を示す指標を載せておくので、自社の決算書から業界での位置を自ら算出してみてほしい(帝国データーバンクの資料「一般貨物自動車運送業」から)。
この頁の「標準偏差」とは別に、これらの回転期間の各指標は、冒頭で申し上げた「貸借対照表」予算を作成する際にも役立ので、必ず自社の資料に基づいて作成しておいてほしい。
自社の「効率性」の偏差値が算出できましたか。下の偏差値の表を参考に、自社が業界の上位何パーセンント内に入っているかを、下の表を参考に確認!!
次回は「安定性」を示す「財務諸指標」と取り組む予定。