今回で「キャッシュフロー計算書間接法」を使用した、次期(ここでは52期)一年間の「歴月資金繰り予測表」完成です。

本当に長い間お付き合いをいただきましたね。お疲れ様でした。

これまでの勉強で、「資金繰り予測表(キャッシュフロー計算書に基づく)」ができるようになりましたでしょうか。できるようになっておられることを心から願っています。

あと三月も経てば、新たな期の「損益予算」が各部門から上がってきます。

その「損益予算」に基づいて「貸借対照表予算」を作成し、これから先一年間の資金繰り予測を作成しなければならないのは、中小企業の場合、経理担当者ではなく経営者自身です。

次期からの「資金繰り表作成」を、練習と思って、ぜひ挑戦してみてください。

そして、月々の試算表があがってきたら、ご自分の手で、「資金繰り実績表」も作成してみることをおすすめします。

「資金繰り予算」と「資金繰り実績」の二つをを重ね合わせることで、年を経るごとに、確実に「資金繰り予算」の完成度は高まってまいります。

さて今回もプロット抽出のために、山本周五郎の『花杖記』を、何年振りかで読み返してみたところ、すっかり忘れてしまっていた文章に、(わたしが社長に就任した時に)亡父から言われたのと同じ言葉が書かれていたのには驚きました。

ひょっとすると、亡父も『花杖記』を読んでいたのかもしれません。

「周囲の者と親疎のかかわりをもつということを厳重に慎まなければならない。人と親しい関係ができると、公平な判断がつかなくなるし、私情にひかれて決断が鈍るからである。 決して親しい友達をつくるな。 親疎のべつで人とつきあってはいけない、ということを父はくり返して云った」

そして亡父は云う。

「経営者とは孤独なものなのだ」

孤独に耐えられなかったわたしは、自分の時間を「読書と音楽(民族音楽)」を友とした。

確か茂木健一郎の『頭は「本の読み方」で磨かれる』という本に書かれてあった、アインシュタインの言葉だったと思う。

「本物の知性とは”知識”ではなく”想像力”である」

わたしはそのアインシュタインの言葉を知る前から、たまたま「想像力を鍛える」という目的のために、文章を書き始めていた。

アインシュタインならぬ凡人のわたしがいくら「想像力」を鍛えたところ高が知れている。

でもそのおかげで、文章だけでなく、「経営分析」をものにするためにも、少しは役立ったのではないかと思う。

難しい試験を突破して、名門大学を卒業した経営者でも、「管理会計」を会得できていない経営者は結構多い。

同じ茂木健一郎の本の中で、「本は一日に3000頁読め」という学者がいるらしい。わたしなどは一日200頁よめればいいほうだ。

それも繰り返し繰り返し何度でも読む。「読書百遍意おのずから通ず」といわれるが、生来頭が悪いせいか、なかなか「通じない」ことも多い。

しかし読書は楽しくてならないから、少しも苦痛ではありません。

今取り組んでいるように、あわせて「プロット」を抽出していると、時間が経つのを忘れてしまうくらいです。

では『花杖記』の「人物相関図」を見てみましょう。

人物相関図(『花杖記』山本周五郎)



三月損益予算





三月貸借対照表予算





三月利益金処分案





三月資金繰り予測





後期資金繰り予測





通期資金繰り予測



次回からは「キャッシュフロー計算書(直接法)」の勉強をします。

「キャッシュフロー計算書(関接法)」とは違って、キャッシュフロー計算書「精算表」を作らなければならないので、ちょっと面倒です。

挑戦してみましょう。