金沢市で夫婦して歯科医院を営み、博士号を取得した大学で講師もしている義弟から、「石川県は人口の割にはコロナ患者数の数が多い」と聞いたことがあった。

売上高に大きな影響力があるので、休刊日を除いて新聞に掲載された四十七都道府県の罹患者数と死者数を記録し続けている。

それを見ていると、どうも義弟が言うほどではないような気がしてならない。

たまたま息子(わたし同様の勉強嫌い)から、電話で、「標準偏差って何?」と聞かれた。

息子が顧問契約した先生から、「絶対に会得しておく必要がある」、と言われたのだそうだ。

しかし経営するにあたって「標準偏差」をどのように使ったらいいのかという具体的な説明がなされないままだったらしい。

仕方がない。

やってみよう。

でも「標準偏差」なんて、これまで経営資料の作成で、一度も使ったことがない。

だから、こんなふうに使っていいのかどうかは分からない。

でも、たまたま毎日記録し続けている都道府県別「コロナ患者数・死者数」の資料を使って、義弟の言う「石川県は人口の割にはコロナ患者数の数が多い」を確かめてみようと思った。

「標準偏差」は、学校のテストの成績を見るときによく使われる。

テストの点数分布は正規分布で描かれ、平均点50点・標準偏差10点とするなら、

40点から60点の間に、生徒の68%
30点から70点の間に、生徒の95%

がいる、という「68%95%ルール」で知られている

計算式は次のとおりである。



やけに難しそうに思えるかもしれない。でも数学嫌いのわたしでも、エクセルのお陰で簡単に計算できてしまうのだからありがたい。

ちなみに「標準偏差」って何?と思われる方も多いことでしょう。かってのわたしも同じでした。

下のグラフで説明しよう。

「標準偏差」とは平均からの距離(±α)を意味し、このαの数値が大きければ大きいほど、つまり10よりも20、20よりも30の方がばらつきがあるということになる

都道府県別コロナ患者数の「標準偏差」なんか算出してどんな意味があるのかわたしにはわからない。

でもこれ以外の資料は手元にはなく、とりあえず、都道府県別の「標準偏差」を算出して、「偏差値」を出してみたのが下の表である。

偏差値の算出式

偏差値=(各県それぞれの人口-平均人口)÷標準偏差×10+50

都道府県別人口標準偏差と偏差値


都道府県別罹患者の標準偏差と偏差値




都道府県別死者の標準偏差と偏差値


義弟が言うように、石川県が人口の割合に比較してコロナ患者数の数が多い、ということははっきりと数字の上では出ていないように思う。

ただ加賀百万石の街金沢がある石川県と、温かく、海に四方を海に囲まれている沖縄県は、観光地として人気があるだけに、人口少数県のなかではやや数値が高い。

問題は、やはり沢山の人口を抱える大都市圏にあることは、上の三表からも明らかなようだ。

「標準偏差」の復習にはもっと手ごろな資料が合ればよかったのだけれど、とりあえずは60年ぶりに復習ができた。

それにしても、これだけのことが瞬時にできてしまうのだ。

数学に不得手なわたしにとっては、エクセルさまさまである。

またまたよもやま話が長くなってしまった。

さて本題

「資金繰り表予算作成の基礎」である「貸借対照表予算作成」の土台としての最終回として、「社会保険料・諸税の見込み」を作成してみた。

過去三期の暦月試算表から数値を抽出し、あまり変化がないようなら、そのまま生かす手もある。

消費税に関しては、別に計算式はあるけれど、「売上見込み消費税」から「仕入外注費にかかる支払済みの消費税」を控除してわたしは利用している。

「社会保険料・諸税の見込み」





次回からは「資金繰り予算作成」には欠かすことのできない、「貸借対照表予算」の作成に取り組むことにする。