弟は早稲田の数学科を卒業ていますし、日本文学専攻のわが妻でさえ、「式を暗記すればいいだけでしょう。簡単じゃないの」と言い切りますが、わたしは小学校のころから算数を大の苦手としていた。

旧制中学5年を3年で終了した超秀才の母方の叔父と超鈍才のわたしを比べるだけでも申し訳なく思いますが、叔父もわたし同様に数学が苦手だったそうで、「数学は暗記科目に過ぎず、たったの一度も、問題を解いたためしがない」、と聞かされて思わずほっとしたことを覚えています。

数学音痴のわたしにとって「エクセル」はまさに宝刀そのもの。

完全理解には程遠く、使いこなせているとは決して言い難いけれど、もし「エクセル」がなかったなら、おそらく「管理会計」の学習は、数学同様、途中で挫折していたに違いない。「エクセル」を開発した方に、ただただ感謝するばかり。

さて、「キャッシュフロー計算書直接法」の勉強の「前菜」として、いつものように「小説のプロット抽出」を試みましょう。

今回は、浅田次郎の『琥珀』を選んでみた。

定年間際の警官米田が、もし二年前に熟年離婚をした奥さんが再婚してグアムで結婚式をあげることを知らなかったとしたら、時効まじかの、男をつくった妻を放火して焼き殺した重要指名手配犯、川俣を決して見逃しはしなかっただろうとわたしは思った。

しかし「定年まぎわの警官が執念深く犯人を追い詰め、ついに時効寸前のところで格闘の末に逮捕」といった内容にすると、小説としての深みがまったくなくなってしまう。

さすがに浅田次郎だ!!

「解説」で鵜飼哲夫が次のように書いている。「表現したい思想なり感情を、表からも裏からも、前からも後からも観察して、しっかり自分の手につかむ、念入りな表現が浅田流」

そして文庫本の帯にはこう書もかれていた。「深く心にしみる人生の喜怒哀楽」

浅田次郎の作品からは、どの作品からも、作者の「心の優しさ」、「温かさ」が、じわっと伝わってくる。

人物相関図(『琥珀』浅田次郎)

「キャッシュフロー計算書直接法」52期10月実績表



前回、10月度からはもう少し詳しく「精算表」作成の方法もあわせて書き込んでおくことにいたします、とお約束しました。
1回目として、「営業収入」の「精算表」を添付します。これまでに何度もお伝えしましたけれど、「営業収入」=「売上高」ではありません。「売掛金」が増えればそれだけ「現金」が入らないということになりますから、「売上高」からその分を減らさなければ「営業収入」とはなりません。下記の表は、売上高0.4 売掛金0.4 の「修正仕分け」をしたことを現しています。




次回は「仕入支出」の「精算表」作成を予定しています。

損益計算書(52期10月実績)





貸借対照表(52期10月実績)




利益金処分案(52期10月実績)





精算表(52期10月実績)





キャッシュフロー計算書直接法(52期10月実績)




(注)勘定科目「短期借入金」の項には「長期未払金(リース料)」を仮置してあります。