企業戦士として働き続け、勤めていた会社での地位が高ければ高いほど、定年退職をしてからの一日の時間を持て余す高齢者が多いという。
これからも高齢者はますます増えていく。
知識と経験そして能力を持ちながら、この社会に、それらを生かす場がないというのは、実にもったいないことだ。
例えお金にはならなくても、したいことがあり、毎日することがある。それだけでも幸せなことではないかと思いつつ、葉室麟の『蜩ノ記』を書棚から取り出した途端に、帯に書かれた『潮鳴り』の惹起文句が目にとまった。
どん底を、
なお生きてこそ
落ちた花を
再び咲かすことは
できるのか?
襤褸蔵(ぼろぞう)と呼ばれるまでに
堕ちた男の
不屈の生き様。
心惹かれて「潮鳴り」読み返してみようと、葉室麟の作品を並べた書棚のなかを探してみたけれど、どこにも見当たらない。
読んだ覚えはあるのだけれど、どこにやってしまったのだろう。
仕方なく? 題名にひかれて、『秋月記』取り出した。
頁をひらいたとたんに目に飛び込んできたのが、以下のの文章だった。
「藤蔵、お主は強いな」
「強い? 馬鹿な。たった今、見事に負けたのを見ておらなかったのか」
「いや、強い。わたしは子供のころから臆病だった。弱い己に克つために修行しているが、さっきのお主のように素手で真剣と渡り合うなど、とてもできぬ」
「おのれが弱いことを知っておる者はいつか強くなれる。お主がわしより臆病ならわしよりも強くなるだろう」
人を見る「心の優しさ」が、葉室麟の作品を読む人の心をひきつけてやまない。
葉室麟のこのふたつの言葉は、「管理会計」を習得するにあたっても、心強い応援歌になると思う。
計数に自信のない経営者は、もし時間があれば、否時間を見つけてでも、会社経営には不可欠な「管理会計」の習得に、全力で取り組んでほしい。
今回も、本題に入る前に、頭の訓練として、葉室麟の長編『蜩ノ記』のプロット抽出をしてみた。
「精算表」作成の3回目は「人件支出」。「人件支出」=(「人件費支払額」 - 固定負債の項「退職給与引当金」前期との差額)。次回は「その他営業支出」。
次回は「その他営業支出」。
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損益計算書(52期12月実績)
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利益金処分案(52期12月実績)
精算表(52期12月実績)
キャッシュフロー計算書直接法(52期12月実績)
(注)勘定科目「短期借入金」の項には「長期未払金(リース料)」を仮置してあります。