損益計算書予算作成はできても貸借対照表予算の作成は難しい、とよく言われます。

「借入金返済表」・「投資計画」・「法定福利費」・「固定資産税・県民市民税・車両税等」・「消費税」は前もって資料を準備することは可能です。

今回はそれ等の中のひとつ「消費税の算出」に取り組んでみましょう。

預かり消費税は金額が大きいだけに、資金が余ったと勘違いして他に使ってでもしたら、資金繰りが大変困ったことになってしまう恐れがありますです。前もってきちんと計算をしておきましょう。

3月決算まであとわずか。

そろそろ各事業部から来期の損益予算が提出される頃ですね。

昨年の10月度から、消費税率が8%から10%に上がりました。9月と同じ個数を売っても消費税が上がった分、見かけ上、売上高が大きくなりますから、利益が増えたと錯覚される方がおられるようです。でもその利益のなかには、税務署に支払わなければならない消費税が含まれています。

仕入れや外注費はもちろんのこと、人件費や諸経費のなかにも、すでに支払い済みの消費税が含まれていますから、売上高に含まれる消費税から、その分を控除しなければなりません。

今回からは、税務署に納付すべき消費税の算出に取り組んでみます。

人件費の中にも消費税がかかる科目はありますし、諸経費の中にだって消費税がかからない科目があります。

下の表を見ながら、自社の損益計算書から、消費税の算出をしてみてください。

消費税の算出(見本)

売上高にかかる消費税(当時は8%)のうち納付しなければならない金額が「予算」では72%、実績では64%であったことが分かりました。仕入高が予算より5%多かったことが起因しています。

またまたキャッシュフロー計算書直接法同様同じことの繰り返しになりますが、次回は5月を見てみることにします。