銀行借り入れの際に提出しなければならない主たる資料として、「試算表(直近・前期同期)」・「資金繰り表(当期実績・来期予測)」・「全金融機関預金・借入金明細」があげられます。
「試算表」も「資金繰り表」そして「全金融機関預金・借入金明細」が載る「銀行帳」は、社長がかならず目を通しておく必要があります。
特に「資金繰り表」は経理任せにしないで、自ら作成した資金繰り「予算」と「実績」の差異を、必ず確認しておくべきです。
「資金繰りなんて考えていたら何もできません」
こんなことを管理者の一人から言われた経験があります。
しかし、資金がなくなったときに、会社即倒産なのです。
倒産したら、社運は新たに就職口を探さなければなりませんし、銀行借入時に「保証人」として捺印しなければならない社長は、全財産を失い、家族は路頭に迷うことになってしまいます。
この恐ろしさを想像さえできず、月々の損益の発表時、赤字でも、「赤字になった原因をきちんと解明しない」まま、「すいませんでした。来月頑張ります」ですませてしまう管理者がけっこう多く見受けられます。
借入金は利益から返すものです。
利益が出ていなければ、借り入れは困難となります。
社長の個人口座に多額の預金があるなら、それを取り崩すことで一時しのぎはできても限りがありますから、「すいませんでした」の一言ですまされるものではなく、たとえ何があったとしても、自らが作成した予算で約束した利益だけは、確実に達成することが管理者にとってもっとも重要な責務なのです。
「税抜経理」の場合は、「消費税を租税公課」として計上することはなく、決算時に今期に発生した「仮受消費税」と「仮払消費税」を相殺する処理をします。
したがって達成できた利益の中には、「消費税預かり分」が入っていることになりますから、注意が必要です。