「帰宅してからの時間は何に使っているのか」、とよく聞かれる。

テレビはほとんど観ない。酒は体に合わないから飲みに出かけることもない。

ほとんどの時間を机に向かって、youtubeで音楽を聴きながら本を読んでいるか、パソコンに向かって、過去の決算書や試算表を飽きもせずに繰り返し繰り返し分析していることが多い。

そんな時間を費やしているとき、前回の「貸借対照表」と「損益計算書」から「資金移動表」を作成してみたのだけれど、計算結果がどうも一致しない、とのメールがまいりました。

ご参考までに上記の表の計算式を横書きにしておきましたから、もう一度「一つ一つを丁寧に」再確認しておくことにしましょう。

資金移動表(損益計算書と貸借対照表から作成する「資金繰表」)

経常収入557.3=((売上高552.3-(期末売上債権・割手63.5- 期首同66.1))+ 営業外収益2.4+(期末前受金0.0-期首前受金0.0)

経常支出497.2=((売上原価416.9+ 販管費99.9)-減価償却費33.4+(期末棚卸3.3 -期首同3.0)-(期末買入債務48.3-期首同49.1)+ 支払利息・割引料12.6)

経常収支尻60.1= 経常収入557.3-経常支出497.2

固定資産収支-25.5=-((期末固定資産736.0 -期首同743.8)+ 減価償却費33.4)

特別損益・他収支-26.8= 特別損益-24.1-(期末流動資産その他2.1-期首同22.1)+ (期末流動負債その他178.4 – 期首同200.1)-法人税1.0

財務収支43.3=(期末長借550.1-期首同506.8)+(期末短借0.0-期首同0.0)+(期末割手0.0- 期首同0.0)-自己株式取得による支出0.0

現金預金増減51.1 =経常収支尻60.1 +固定資産収支-25.5+特別損益・他収支-26.8+財務収支43.3

数式をご理解いただけましたでしょうか。

さて今回もまた小説のプロット抽出に挑戦、菊池寛の代表作『恩讐の彼方に』を選んでみました。

小説のモデル「青の洞門付近にある禅海の像」(Wikipedia掲載写真)

菊池寛を読んだのは実に久しぶりのことでした。でも短編小説にもかかわらず、長編小説を読み終えたときのような満足感を覚え、さすが菊池寛だと再確認できた次第です。

『恩讐の彼方に』菊池寛 プロット抽出

主人公 市九郎 旗本中川三郎兵衛の従者 兵法に心得
年齢 50~60
しわがれた悲壮な声
体付き 肉ことごとく落ちて骨露れ、足の関節以下はところどころ爛れる。両脚は屈伸の自在を欠き、わずかの歩行にも杖に縋る。
顔 色青ざめ、双の眼は窪み、灰色をなした眼をしばたたく。
髪型など  頭髪は長く伸びて、皺だらけの額を覆う。
生れ 越後柏崎
物語の役割: 寵妾お弓と不義をしたことを三郎兵衛に咎められ、主殺しの大罪を犯す。出奔後は美人局やがて強請、強盗。鳥居峠に土着。昼は茶屋、夜は強盗を働く。三年目の春、茶屋に立ち寄った豪農の若夫婦を殺めたことを悔い、罪悪を犯し続けた地から逃れて美濃の浄願寺に至る。「仏道に帰依し,衆生済度のために、身命を捨てて人を救うとともに、汝自身を救うのが肝心だ」と上人に教化され、得度して法名了海となり、半年の修行の後、智識(仏道に教え導く指導者。導師。善知識)となり、諸人救済の大願を起こし、諸国雲水の旅に出る。中津藩山国渓谷に至り、水死人の回向を頼まれた。多い時には一年に十人の命を奪う難所ときき、二百余間の絶壁を刳り貫き、道を通じようという、誓願が浮かぶ。一年に十人なら十年で百人、百年、千年と経つ内には何万人もの命を救うことができる。市九郎は一途に実行に着手した。

脇役1 中川三郎兵衛 市九郎の主
物語の役割: 寵妾お弓と不義をした市九郎を成敗しようとして返り討ちにあい絶命。
職業 浅草田原町旗本
家族等 一子実之助

脇役2 お弓
性格 強欲
物語の役割:旗本中川三郎兵衛の妾。不義をはたらき、三郎兵衛が市九郎に斬られると、金目になりそうな衣類、印籠を盗み市九郎とともに屋敷から出奔。金を得るために美人局をはじめとして、市九郎に強請、強盗を働かせる。
職業 けんぺき(あんま)茶屋の女中上がり。

脇役3 石工の統領 了海が討たれそうになったとき、実之助の前に進み出て請う。「この跨貫の通じ申す間、了海様のお命を、我等に預けて下さらぬか。この跨貫さえ通じた節は、即座に了海様を存分になさいませ」。

敵役 中川実之助 旗本中川三郎兵衛の一子 3歳の時、父が家臣市九郎に殺害され、家事不取り締まりで家を取り潰される。
物語の役割:13歳のとき市九郎への復讐のため、柳生道場に入門。19歳で免許皆伝を許され、報復の旅に上がる。9年目の春、中津城下宇佐美八幡宮を参拝、境内の茶屋で、「樋田の跨貫」に全身全霊を傾ける出家が、元は江戸から来た人で、若いときに人を殺したのを懺悔して、諸人済度の大願を起こした、越後の柏崎の生まれの人だ、と聞き漸く敵に巡り合えたことを知る。実之助は「樋田の跨貫」へと急ぎ、跨貫の入り口に石の砕片を運び出している石工に市九郎を呼んでほしいと頼む。

概要:主殺しの大罪を犯し、鳥居峠に土着して昼は茶屋、夜は強盗を働く。出奔して三年目の春、茶屋に立ち寄った豪農の若夫婦を殺めた罪業を深く悔い、美濃の浄願寺の上人に得度。法名は了海となり、諸国雲水の旅に出る。中津藩山国渓谷に至り、水死人の回向を頼まれた。一年に十人もの命を奪う難所と知って、絶壁を刳り貫き、道を通じようという誓願を立てる。一年に十人なら十年で百人、百年、千年と経つ内には何万人もの命を救うことができる。市九郎はすぐさま実行に着手。寝食忘れて二十年、穿ち続ける市九郎の前に、親の仇とつけ狙う実之助が現れる。