今夏の異常な暑さのためか、いつもなら9月15日には咲く彼岸花が、やっと28日に花を開かせた。

この季節に咲く花々の中で、老妻が心待ちにしているのが、彼岸花と金木犀。

今年はいつ咲くのかしらと、首を長くして待っていた。

さいたま市は膝子、見沼用水東縁の川のふちに咲く彼岸花を、車窓の中から、ついに見つけた老妻は喜びの声を上げた。

何のことはない、帰宅して車庫に車を入れて、隣の公園との道路ふちを見ると、そよ風に吹かれながら、夕日を浴びて、そこにも彼岸花が咲ていたではないか。

季節季節に咲く花々を、来る年ごとに、心待ちにしている老夫婦である。

さて本題。

来期からの各事業部の予算を、作文ではなく、しっかりとした目標を設定して幹部社員に作成してもらうための準備として、経理から隔月の試算表が提出されるたびに、「損益分岐点分析」を宿題として課すことにした。

「要するに、言いたいことは、損益分岐点以上の売り上げを出せ、ということだろう」

幹部社員の一人が、したり顔で、そのような陰口をいっていた、と耳にした。

売上高は、変動費(率)・限界利益(率)・固定費(率)・経常利益(率)の四つから構成されている。

損益分岐点以上の売り上げを単にあげればことがすむ?

そんな簡単な問題ではないのだ。

確かに「売り上げ」を上げることも大切だが、「売り上げ」を上げるために、「変動費」(率)を増加させ、その結果として「限界利益」(率)を低めても、何の意味もない。

無駄に忙しいだけである。

「変動費」率を下げて「限界利益」率を高め、「限界利益」率内に「固定費」率を収めることで、「経常利益」率を高めていく。

「売り上げ」を上げるのは「営業担当の役目」変動費」(率)を抑えるのは「事業部長の役目」、「固定費」(率)を「限界利益」(率)内に収め、可能な限り「経常利益」(率)を高めていくのは「取締役および管理部門責任者」が負うべき仕事なのだ、と要約できる。

つまり、事業部の責任者が自ら立てた「予算」に掲げた「経営目標」をいかに達成するか。

これが「損益分岐点分析」を習得しなければならない理由なのである。

ただ単に、「損益分岐点以上の売り上げを達成しろ」、と言っているわけではないのだ。

繰り返す。

「損益分岐点分析」は、「経営計画の立て方」を学ぶための「基礎理論」であることを忘れないでほしい。