企業の成長性を計る指標に「経常利益増加率」と「売上高増加率」の二つがあります。

わたし太郎が経営していた会社は、「経常利益」も「売上高」も確実に伸びていったようなことは、ほとんど経験した覚えがありません。

わたしどもの会社(運送会社)は「一車幾ら」で衣料・雑貨の問屋さんと契約をしているのではなく、荷物(平均二才の大きさ)ひとつ幾らですから、「景気」や「季節」変動に大きな影響を受け、トラックの積載効率は著しく上下します。荷物数の増減が「売上高」・「経常利益」の増減ということになります。

今夏のように前半は冷夏、後半は酷暑となると、前半は夏物がまったくと言っていいほど売れず、後半はすでに秋物の準備に入っていますから、荷動きはまったくありませんでした。しかし幾ら少なくても荷物は運ばなければなりませんから、それにかかる経費を削ることもできませんでしたから、大赤字となりました。

ここ八年間、人に誇れるほどの「経常利益」は出し続けてきました。しかし、今期の中期決算は赤字確実です。

まったく世の中は思い通りにはいかないものだと再確認した次第です。

サンプル会社の成長性を下にあげます。

サンプル会社の成長性

売上高は前期比で120%と大きく伸びましたが、
売上原価は130%
総利益は115%
販管費は113%
経常利益は107%


ここで前回の「資本収益性」の「改善」を思い出してください。
例えば下の表のように、仕入原価を売上高の伸びと同じ120%に改善をしただけで、経常利益は122%の伸びを達成できるのです。
「改善」はこのように大切かつ重要な作業なのです。このサンプル会社がZ期に取り組むべき課題は、「仕入原価」ということになります。





みなさんは「インタレスト・カバレッジ・レシオ」という債務返済能力を計る指標をごぞんじでしょうか。

「借入金」の支払い能力の余裕度を表す指標です。大きければ大きいほど余裕がある。

算出式
インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息・配当金)÷ 支払利息・割引料

これを前期のサンプル会社で計算してみましょう。

改善を含めて、次期予算を作成するにあたって、これらの指標を根底において立案していくことが大切です。