「経営分析」と「文章」を書くのが、その水準のほどはともかくとして、時間を忘れてしまうほどにわたしは好きです。

「文章」は40代のころに応募した作品で、オール読物(文芸春秋)新人賞で二次予選までいきました。でも小説を書いていると、仕事を忘れてしまうものですから、文章の師斎藤信也先生(朝日新聞元記者)から「ここまできたのに勿体ないよ」と諫められたのですが、筆をおいてしまいました。

それから30年、会社の代表者を退いて、再び挑戦し始めましたが、情けなくも、予選さえ通過できない有様です。

250万部の大ヒット作品「信長の棺」を、加藤廣氏は75歳で書かれました。そして加藤廣氏の文章の師は小説家養成講座の講師若桜木虔氏でした。

若桜木虔氏は幾度でもプロット(設計図)のやり直しを命じ、それが完璧に作成できるまで、小説を書かせないのだそうです。加藤廣氏も何度も何度もやり直しをさせられた、と聞いています。

わたしが30年前に応募したころとはちがって、新人賞に応募してくる作品の水準は、著しく高くなっているようです。わたしが予選通過すらできなくなってしまったのは、そのせいだったのです。

プロットの完成度の高さこそが、新人賞予選通過の条件だったのです。

でも完成度の高いプロットがいきなり書けるわけがありません。

久々に書いた作品が予選すら通過できなかった反省の中で、遅まきながら、プロット作成の重要性を再確認できた次第です。

週刊ダイヤモンドの編集長が「仕事を一言で要約するなら、段取りになる」と話していたと書きました。

その意味では、「経営分析」も「文章」も同じだといえます。

わたしも自分がこれまでに読んだ小説のプロットをできるだけたくさん書きため、来年の春先まで、自分のテーマに使えそうなプロットを探し出すことに専念することにしました。

今朝は、藤沢周平が第69回直木賞を受賞した作品「暗殺の年輪」のプロットにまとめてみましたので、以下に載せておきます。

人物相関図(「暗殺の年輪」)


プロットの話に夢中になり、肝心なキャッシュフロー計算書(資金繰り予測)をうっかり忘れてしまうところでした。

作成することを厭うていては、何ものも自分のものにすることはできません。見ているだけでなく、わたしが小説を読み返してはプロットを抽出しているのをまねて、ぜひ自分の手で、資金繰り予測表まで作り上げてください。

損益計算書予算(8月))




貸借対照表予算(8月))



利益金処分案予測(8月))



資金繰り予測(8月))



3月予測まで、これから同じことの繰り返しになりますが、飽きずの読み続けてくださることを心から願っています。