わたし太郎の、高校時代の初恋の人、大学院進学の時に推薦状を書いてくれたゼミの教授、大学院後輩の中小企業診断士、どこか心惹かれてならない俳優伊東四朗氏(母方の姓は熊井)、熊井家の歴史を通じて知り合ったクロマグロの養殖に成功した近畿大学の熊井英水名誉教授。全員が、きしくも、わが遠祖の地信濃の出身です。
そして愛読する小説家のひとり、内田康夫氏もまた信濃の出身。それどころかわたくしが住まうさいたま市に隣接する、川越市にある名門、県立川越高校(わたしの卒業した中学校から、一番親しくしていた学友か進学しています)を卒業したというではありませんか。
内田康夫氏の書かれた小説「風の中の櫻香」は「華の下にて」と並んでわたしが一番好きな作品で、もう百回以上は読み返し、どの頁も付箋と書き込みでいっぱいです。
「風の中の櫻香」の主人公、孤児櫻香は、奈良の由緒ある尼寺の養女となっています。
以下は、櫻香の尼寺での「母」妙蓮が、浅見光彦に語っている言葉。
「学生時代に恋文をもらい、(修業中の身でありながら)迷いを生じたこともあります。お釈迦様が菩提樹のしたで、さまざまな悪魔から欲望を吹きかけられながら、悟りの境地に達せられた。それと比較するのは畏れ多いことですけれど、わたしにとっては、自らの信念を問うための、これが試練だと思いました」
以下は光彦の述懐。
「欲望というより本能と呼んだほうがいい青春の日の誘惑を斥けて、信念を全うすることなど、絶対にできそうにない。それを成し遂げられる者は、妙蓮の言う一万人に一人どころではない、稀有の存在にちがいない」
わたし太郎もまた、「青春の日の誘惑」を斥けることのできなかった一人です。
しかし、それはそれでよかった、と今では思っています。
挫折、挫折の連続で、惨めで哀しくとても辛いことばかりでした。
でも数多くの挫折を経験できたからこそ、妻と巡り合うことができ、そして六人のかわいい孫たちに囲まれている毎日があるのですから。
またまたわき道に逸れてしまいました。このブログの本題に戻ることにしましょう。
わたしがこれまで歩んできた人生と同じように、管理会計を会得するにも、挫折の連続でした。
学者たちが、研究を続けていると、次から次に新たな問題が生じてきて、留まるところを知らない、とよく言います。
管理会計の勉強も、同じです。
でも不思議なことに、問題が出てくるたびに、出てきた問題を飽きることなく解決していかなければならないのですから、見方を変えれば実に幸せなことです。
作り出すというのは、何ごとでも、本当に楽しいものですから。
さて、暦月の「売掛金、棚卸、買掛金、社会保険・消費税・法人税」についてはすでに説明は終えました。
今回は「貸借対照表予算」の作成のためのテーマとして「投資計画」を選びました。
投資計画は「借入金」ではなく「(長期)未払金」で賄うこととします。「(長期)未払金」の相手勘定は、「固定資産」ということになります。
貸借対照表予算の作成は、残すところ、「資金計画」のみとなりました。
それ以外の貸借対照表予算の勘定科目は、前期のままの数字を入力するだけ、でかまいません。大きく変動が見込まれることが前もって分かっているときは、貸方・借方の両方で、その数字を調整してください。
「貸借対照表予算」が決定すれば、「損益計算書予算」と「利益金処分案」を組み合わせることにより、「暦月資金繰り表」の完成です。
キャッシュフロー計算書(貸借対照表予算)が終われば、次のテーマは、キャッシュフロー計算書間接法による、資金繰り表の作成となります。
ここまでくれば、誰の力を頼まないでも、社長が自らの手で、資金繰り表が作成できるようになります。楽しみにしていてください。