資料作りに手間暇がかかっており、本来のテーマである「経営分析」には、しばらくの猶予をください。
今回もわたしの単なる個人的な趣味でしかない「短編小説の構成」を、『感傷の街角』(大沢在昌)で取り組んでみた。
『新宿鮫』の愛読者であるわたしは、ビデオまで、すべて買いそろえて持っている。
一番好きなのが、第6巻『氷舞』なのだが、わたしにとって小説づくりの教科書になっているのは、1979年に第1回小説推理新人賞を受賞した、デビュー作の『感傷の街角』。
もっとも大沢在昌がオール読物新人賞に応募して、最終予選5人の中に入って、自信を得たというのが21歳のときのこと。
わたしがオール読物新人賞にはじめて応募して、二次予選(40人前後)を通過したのが、50代に入ってまもなく。いまさらいうまでもなく、才能の違いは明らかである。
しかも、わたしの本業は、中小企業の経営者。
小説づくりに夢中になりすぎて、会社の業績を落とし、目が覚めた。
4回の応募で予選通過が3回。
文章の指導を受けていた先生からは、「ここまできたのに、もったいないよ」、と止められたが、社長業に専念することにした。
三年前に会社を息子に引き継いでから、時間ができたので、再び小説を書き始めたものの、予選通過さえできないありさま。
指導を仰ぎたくても、文章指導をしてくださった先生は、すでに黄泉の国に旅立たれてしまったあと。
新しい先生につく気にもなれず、もういちど最初から勉強をし直そう、とはじめたのが、過去に読んだことのある小説の「構造分析」に取り組むことだった。
この歳になって、新人賞は無理だと思うので、せめて最終予選の5人の中に入ることを目指して、挑戦し続けていこうと思う。
大学院に復学して、「経営分析」をテーマに論文を書いて「博士号」取得を目指すほうが、はるかに可能性は高いと思う。
でもいまさら学位を取ってもね。
それよりも「小説」を書くことのほうが楽しいし、自分には合っているような気がしてならない。
では、『感傷の街角』(大沢在昌)の構成を見てみよう。