「キャッシュフロー」って何?、と疑問を持たれる方が多いと思います。

わたし太郎は、体質的に酒を飲めず、したがって夜遊びもしないものですから、お小遣いをもらっても何の使い道もありません。

ドストエフスキーとかレマルクの小説の愛読者でしたから、二十代の頃には小説の舞台でもあるペテルブルグ(当時はレニングラード)や東ドイツのドレスデンを訪ねたり、絵画や音楽が大好きで、ほとんど毎年のように欧州各地の美術館を訪ねたり、それぞれの国々の民族音楽のレコードを蒐集していたものですから、小遣いは幾らあっても足りないくらいでした。

しかし七十も半ばになって、欲しいものが何もなくなったいまでは、これまでに買い集めた本の中から、気に入った本を何度も何度もそれこそ数えきれないほど読み返し、そのたびに新たな発見があるのが楽しくて、お小遣いをまったく必要としません。仮にもらったとしても使い道がなく、街に出るときも財布の中身はいつも空っぽ。

妻は私が必要としない分を、毎月お小遣いとして、二人の息子の嫁さんたちに渡しています。

「キャッシュフロー」は、余った資金をただ貯金するというのではなく、自分の成長のために何にどのようにして消費するのかと、同じ意味なのだと考えてください。

会社も、儲けた金をただ定期預金や株式投資に積み上げていくのではなく、会社の将来のために、何に有効に使うのか、という目標が明確に設定されていなければ、「キャッシュフロー経営」をしているとは言えません。

キャッシュフロー算出式
税引後当期利益+減価償却費-投資額-運転資本増加額=キャッシュフロー

サンプル企業のキャッシュフロー算出例