自社があげた「売上高経常利益率」が業界のどのあたりにあるかを調べようと思って、当社は運輸業なので、「全日本トラック協会」のホームページを検索して調べてみた。
しかし期待するほどの資料はなく、あくまでも平均値にすぎず、満足のいく資料を見出すことはできなかった。
当社もお世話になっている日本政策金融公庫の、関連会社である「株式会社経営ソフトリサーチ」は、経営者にとって役立つ、素晴らしい経営分析の資料をたくさん揃え、出版もされている。
中小企業金融公庫時代の、業界別「上位企業」、「中位企業」、「下位企業」の「平均財務諸指標」などは、いまだに利用させていただいている。
厚かましいと思いはしたが、メールで質問してみると、親切なことに電話で連絡をしてくてた。
新しい資料は来年の一月に出来上がる予定なので、年が改まったら、あらためて電話をくださることになった。
「帝国データーバンク」に連絡して、息子が購入してくれたのが、『第63版全国企業財務諸表分析統計』だった。
掲載されていたのが以下の表であった。
えっ、何だこれは!?
前書きには「標準偏差」はこのようにして計算しました、というサンプルが載っていた。
わたしは数学が大の苦手なので、「標準偏差」だけでは何のことやらさっぱり理解できず、悩みに悩んだ。
「標準偏差」で、三日三晩どころか二週間も悩み抜いたのだった。
そして「黒字企業」・「全企業」の「売上高経常利益率」をながめているうちに、遅まきながら気づいた。
これは「黒字企業」と「全事業」の平均値なのではないか。
「標準偏差」と「平均経常利益率」そして自社の「経常利益率」が分かっているのだから、「偏差値」が算出できる!!
自社の「偏差値」さえ分かれば、正規分布のどこに位置しているかが分かるではないか。
とにもかくにも「売上高経常利益率」を算出してみよう。
これは簡単ですね。
経常利益 9.3%
ずいぶんと立派な成績です。
全企業の平均経常利益率 1.86%
標準偏差 4.13
これさえ分かれば、数学が大の苦手なわたしでも、下の計算式を使うことで、「偏差値」はすぐに計算できました。
A社は「全企業」のなかで「偏差値」68.0ですから、トップクラスに位置することがわかります。
では「黒字企業」の中ではどうでしょうか。
黒字企業の「平均売上高経常利益率」は 3.18%でしたね。
「標準偏差」は4.13
A企業の「売上高経常利益率」は 9.3%
A者は黒字企業のなかにおいても偏差値は 64.8
上の下というところでしょうか。
いずれにしても立派な成績であることがわかりましたね。