「前回」・「前々回」にした勉強で、「キャッフロー計算書間接法」の作成をマスターできましたでしょうか。

難しい、ですって。

でも「間接法」とは違って、「直接法」は「営業活動によるキャッシュフロー」を作成するためには「精算表」の作成記入が必要です。習得するにはもっともっと結構手間ひまを要します。

「直接法」も「間接法」も、「営業活動によるキャッシュフロー」の作成は別として、「投資活動によるキャッシュフロー」も「財務活動によるキャッシュフロー」の算出方法はまったく同じです。

取りあえず、「精算表」の作成という面倒を必要としないで済む、「間接法」を先に習得することをお勧めします。

「間接法」の作成ができるようになりましたなら、書棚に眠ったままでいる自社の財務諸表をすべて取り出して、設立してから前期までの「キャッシュフロー計算書」を作成して、確認ください。

ご多忙のこととは思いますが、少なくとも一か月間ほどかけて、集中的に取り組んでいただきたく思います。

自分がやってきた会社経営の良かった点、悪かった点が一目瞭然になりますから、二度と同じ間違いを犯さないことになり、今後の会社経営に大いに役立っことになります。

世の中には竹藪の中を歩いていて、たまたま「億」という金を手にするような(幸運な?)人がいるようです。

しかしそのようなことは滅多に起こり得ることではありません。

会社経営者が資金を生み出すには、「営業で利益を出す」か、「銀行借入」をするしか方法はないと思ってください。

今回も「T-logistics社」の社長了解を得ましたのて、同社の過去二期の「貸借対照表」・「損益計算書」・「株主資本等変動計算書(利益金処分案)」の三表を使って作成した「キャッシュフロー表(間接法)」で「資金の流れ」を検討してみることにしましょう。

「第52期」
「営業」で生み出した「資金」で「投資」と「銀行返済」ができ、「現預金」をもわずかながらだが「増やすことができた」という「理想的な結果」を残すことができました。

「第55期」
「営業」で生み出した「資金」で、辛うじて「投資」をまかなうことができました。しかし「銀行返済」にまではやりくりすることができず、新たな「銀行借入」をしたその結果として「現預金残高」は増加しています。「銀行借入」をしてまで「投資」の必要があったのかどうかの検討が「課題」として残されました。



「T-logistics社」第52期キャッシュフロー計算書(間接法)


「T-logistics社」第55期キャッシュフロー計算書(間接法)