「幸運は偉大な教帥である。不運はそれ以上に偉大な教師である」
これはアメリカの詩人、James R. Lowellの言葉。

経営改善計画実施4年目に、TKC経営指標 黒字同業者の総利益20%を超える25%を(株)T-logistics は達成し、この業績が何年か先まで続くと見込まれていた。

しかし現実はそれほど甘くはなく、経営改善計画の仕上げの年に、長年の取引先二社が突然に自主廃業をすることになった。

まさに「好事魔多し」のことわざどおり。

でお業績が上がったといっても、不採算路線を廃止し、運賃の値上げをしたに過ぎない。

前の頁でも書いたように、商売の基本は「客単価×客数」で、同じ価値のものの単価をただ引き上げる「値上げ」も一つの方法ではあっても「客単価」を引き上げる方法のひとつではあっても、より肝心なことは、客がどんなに高い金を払っても、十分に見合うだけの満足感が得られるだけの付加価値を提供できるか否かだ。

同じ価値のものの価格をただ引き上げるなら、よほど希少なものでない限り、客離れを招くこと必然だろう。

新たな経営戦略は、経営改善計画を実施するなかで、実に見事な売上高経常利益率を達成した若き社長が掲げることになるが、「小さな領域でNO1を目指す」という『ランチェスター経営戦略』(坂上仁志著 明日香出版社)のなかの言葉が、お節介なわたしの頭を過っていく。

経営改善計画の実施五年の間に、総利益率を「TKC経営指標 黒字同業社平均」の20%と肩を並べ、あわせて経常収支尻を大幅に黒字化したことは、、驚嘆に値する。

これからもジグザクな道を歩んでいくことだろうが、他の財務諸指数も徐々に改善されていくことは間違いないだろう。

製造原価明細書(同業他社比較)

経営改善計画実施五年目

経営改善計画を実施した成果