経理が作成する「実績資金繰表」とは別に、経営者が「資金収支表予算」を作成して、自らが資金を管理しようとする前に、時間はかかるかもしれませんが、過去三期分の各月試算表を取り出し、月々の「資金運用表」を作成してみる必要があります。

わたしはすでに引退しましたが、代表者を務める息子は、半世紀以上もまえに亡父が設立した会社のすべての試算表を書棚から取り出し、月ごとの「資金収支表」を一か月もかからないで作り終え、資金繰りを頭の中にしっかりと叩き込むことができました。

もっとも過去の「資金収支表」のなかには、数多くの判断の過ちが記録されていますから、わたくし太郎への尊敬の念がだいぶ失われてしまうという、困った事態を引き起こしたことも確かです。

数々の判断の過ちは、わたくしが成長する糧だったのですが、どうも理解してくれてはいないようです。

損益計算書のX期は当期、そしてY期は来期予算

来期の損益予算と前期の貸借対照表から、来期の貸借対照表予算を作成。
損益予算がX期実績とほとんど変わっていませんので、貸借対照表予算の作成は簡単です。(売上高が1千万円の減少ですから、当然のこととして、売掛金も同額減少させています)

エクセルの表をそのまま使うことができませんので、表の数式をお見せすることができなのが残念です。ご容赦ください。

貸借対照表(資産の部)予算

貸借対照表(負債・資本の部)予算

負債の項の未払金の増加と長期借入金の減少を合わせた金額が、資産の部の売上債権の減少とぴったり一致し(売掛金の回収がすすむ)、現金預金の変動はありません。

来期の資金収支表(キャッシュフロー)予算

予告

次回は「資金収支表予算作成への第一歩(2)」として、各月の「損益計算書予算」と「貸借対照表予算」から歴月の「資金収支表(キャッシュフロー表)」作成を試みます。